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2011年12月28日水曜日

6週間の活動を終えて



今回は雄勝診療所での活動を中心に、石巻での6週間にわたる活動についてまとめてみました。

すべては書ききれないですが、本当に皆さんから学ぶことは多く、人生観が変わりました。
ここに挙げた活動は、全部金子先生がブラッシュアップしてくださって、診療所は今もどんどんパワーアップしています。これからも、ずっとずっと応援していきたいと思います。

桧原 石巻活動イベント履歴(23.10.31-23.12.9)

11/3-7 安藤親男先生受け入れ 雄勝診療所での診療支援・運営についてのアドバイスをいただく
11/16,24,25,26,28 JIM-NETとして仮設住宅での健康講話「高血圧」
11/27 雄勝診療所前(雄勝支えあいセンターお披露目)餅つき会 手伝い
12/1 雄勝診療所ミーティングにて 訪問看護・在宅診療について講演
12/6 大須小 キッズ広場にてこどもと健康・放射線についての講演
12/8 雄勝診療所ミーティングでふりかえり発表⇒職員の開院2ヶ月の振り返りをファシリテート

<雄勝診療所での診療支援プロジェクト>
1.訪問看護プロジェクト
対象:雄勝診療所の看護師 

目的:診療所の看護師がプロとしての自信をもって、地域・患者さんたちの訪問ケアを行うことを目指す。
方法:診療所から1時間ほどのアクセスでにある訪問看護ステーションの看護師と連絡をとり、
雄勝診療所看護師が訪問看護の研修を行えるよう、具体的な日程・交渉の場づくりを行った。
来年1月中旬より定期的な指導・情報交換を実施形式で行うこととなった。

(感想)
 「訪問看護を学んでみたい」という彼女たちの思いを受け、なるべく診療所のニーズに留意しながら、行ったプロジェクト。自分のしたこととすれば、具体的には話し合いの場をセッティングしたのみであった。
今後、看護師の方たちが思い思いに活動できるよう、研修の場を作れたのも小倉先生の懐の大きさがあるからだと思う。


2.診療所の質改善プロジェクト
2-1 診療所お茶っこのみプロジェクト
対象:診療所に来院する患者
ニーズ、背景:現在、雄勝診療所を経由するバスの本数が1日各便3-5本程度とすくないため、診療所に2時間半程滞在しなければならない高齢患者が毎日いる。 地域では近所で集まってお茶を飲む習慣がある。
目的:脱水予防。地域内での親交を深める。
方法:バス待ちの時間を中心にお茶を出すことを行い、診療所待合室が患者同士の交流の場として機能する仕組みをつくる。
評価:住民の「こちら(の診療所)はサービスがいいからきている」という言葉がきかれるようになった。
今後:のちに看護師の負担とならないようにするため、住民ボランティアにお茶出しをしてもらってはどうかというアドバイスを得た。

(感想)
診療所の「お茶っこのみすっぺし」ポスターに触発され、患者さんからも「どごでお茶っこ飲みすっぺしやな(どこでお茶を飲めばいいんだ)」と言われたのがきっかけで、このプロジェクトを開始した。自分としても初めてお茶を出してみたが、患者さんに喜んでもらえ、素直に嬉しかった。研修医の研修の方法としても有効であると考えられ、実践した。地域の人に喜ばれていると看護師からも高い評価を得た。今後もボランティアを募ったりやお茶を提供の仕方を工夫するなど、診療所として継続可能な方法で「診療所お茶っこ」を続けられる仕組みづくりを進める必要がありそうだ。


2-2 診療所運営の質改善プロジェクト
診療所運営にあたってのソフト面の支援を行うことをめざした。
各関係機関(保健課―キッズ広場、社協、仮設住宅サポートセンター、訪問看護ステーション、住民、支援団体)との連携づくりを目指し、情報収集を行った。たとえばキッズ広場に参加し、雄勝診療所で小児科を診療できることを知らない母親が多いことを知り、双方への情報提供を行った。

看護師の意見を積極的に取り入れることをめざした。そのためにも診療所ミーティングを頻繁におこなう、まずは確実に週1回開かれるように働きかけた。毎週曜日をきめてミーティングを行い、その中で訪問看護についての勉強会をおこなった。その中では自信をもって訪問看護をしてほしい、看護師も忌憚なく医師に意見を述べていくことが必要という点を強調した。とくに患者についてのディスカッション、業務改善に関して意見を交換するようにと促した。司会と書記を交代で看護師に担当してもらうように促した。
診療所ミーティング運営のヒントについてもほかの診療所の先生へのコンサルトを行いいただいたアドバイスをもとに、最後の週に自分の診療所研修振り返りを行い、開院2ヶ月という時点での各自の振り返りをファシリテートした。

(感想)
現在看護師たちが活発に意見を出していることは本当に嬉しい。12月に各機関と雄勝診療所のカンファが成功裏に行われた。今後もさらに診療所の周囲の機関との交流が深まることが診療所運営にとって不可欠と考える。

3.研修医教育プロジェクト
診療所には日赤から週2回、研修医が研修にくることとなった。
目的;先生が1人体制となっても、研修医を受け入れることのできるような土壌づくりを行う
方法;研修医の対応マニュアルづくりを行い、対応ができるようなしくみを整えるため、A4サイズのファイルに、雄勝診療所の概要がわかる資料をまとめた1冊を作成した。
看護師や地域のリソースから学ぶことが重要であるという視点から、「待合室お茶っこ研修」「雄勝支えあいセンター研修」「往診研修」「訪問看護研修」をたちあげた。

評価方法としては振り返りシートを記入してもらい、先生と研修目標や研修成果の共有をはかった。
待合室でお茶っこをした研修医は患者さんに「津波で何もなくなったが先生にあえてよかった」といわれ「地域をよく知ることができた。よい経験をした」「また雄勝にきたい」という感想が得られた。

(感想)
自分にとっても、診療所に研修医を教えるということは初めてであった。メーリングリストで問いかけて得られた、仲間の意見が参考になった。自分が研修医のときに診療所で教えてもらったように、多角的な視点から医療・福祉を見渡せるような研修プログラムをめざした。ふりかえりを導入し、限られた時間で本人のニーズに沿った研修ができるように配慮した。なかなかニーズを探ることは難しかった。
あまり自分で研修医に接しすぎないで、小倉先生が研修医の指導をできる時間を確保することが大事だとわかってはいたが、研修医に接しすぎたのが反省点である。やっぱり研修医の相手をするのは楽しい。

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