ページビューの合計

2011年11月13日日曜日

雄勝にドクターカー!



雄勝にドクターカーがきました!

軽なのでかわいい感じですが、ちゃんとピーポーと鳴らせるようです。まだだれも鳴らしていませんが。

これから患者さんの往診に活躍します。

ある日のおくすり訪問












先週のある日, 石巻日赤の研修医の方と看護師さんと、ある80代男性の方のお宅にお薬の確認に行きました。高血圧・糖尿病をお持ちのかたで、薬剤コンプライアンスが悪く、血圧・血糖は高く・・・。現在仮設住宅に息子さんと暮らしていますが日中独居であることから、いろんな方からマークされています。たずねてみると、やはり薬がバラバラ・・食前の薬なんて無理のようです。日赤の研修医さんはこれをみて、高齢者には薬が指示通りに飲めない現実があるということが実感できたようです。
 訪問中に息子さんが昼休みに帰ってこられたので、本人に毎食分の薬を1つずつわたすようにとお願いをしました。薬箱を作ってお渡ししたほうがよさそうです。
 おうちにいくと生活の状況はよくわかります。ビールや焼酎は手の届くところにあり、きっとお酒も飲んでいるでしょう。またしばらくみんなで注意してみていかなければ・・・。



訪問の帰りには、湧き水をくんできました。この水が、雄勝の被災者を救っていました。

命を救った訪問入浴





















11/3、芋煮会に参加しました。
ある老人ホームが計画した会で、10月から入ってきた仮設住宅の入居者の交流を主な目的とした行事でした。いろんな団体に協力を依頼しつつ、企画からわずか10日ほどで形になりました。
その施設のあるところは、震災の被害にあまりあわなかった地域といわれているところでしたが、ライフラインはすべて止まっていました。施設には3日間の備蓄しかなく、自力でなんとか7日間までの食料を確保して、その後食料を届けてくれた業者があり、なんとかしのげたとのことでした。地域の福祉の担当の方と話しました、仮設住宅ばかりマスコミで取り上げられていますが、自宅でなんとか暮らしている人には届かない支援や使える制度の差異があるようです。

老人ホームの入居者の方で、雄勝で被災した夫妻のもとへ行かせていただきました。その夫妻は、前回鎌田先生が会っていった方で、毎日新聞に載っている方です。
震災当日、たまたま2日に1回の訪問入浴を受けていて服を着替え終わったそのときに地震がきました。入浴サービスのスタッフが念のためにと車に乗せて高台へ連れて行ってくれたために命が助かったということでした。なんという幸運。そのまま、トンネルで一晩をすごし、移動した避難所では要介護の方のコーナーで看られていました。以前の雄勝のきれいな風景写真も見せていただきました。こんなにきれいな町だったのに。現在は、今年5月からできた老人ホームに2人で入られました。いろいろな歴史のあるお二人とお話して、とてもに心豊かになりました。

2011年11月11日金曜日

大先生、おつかれさま

















DAIこと大先生、お疲れ様でした。


今回は前任者の大先生の功績について書きます。大先生は小倉先生にも石垣先生にも愛されていました。各診療所の看護師さんにも愛され、とても和んでいました。とくに石垣先生に背格好が似ていることから、患者さんにも「息子さんですか」といわれるほど、かわいがられていましたね。


大先生は雄勝診療所の立ち上げの時期に小倉先生とともに過ごされ、看護師さんが外来業務になれない中、院内のシステムづくりをおこなっていかれました。


レントゲンの撮影マニュアルをあっという間につくりあげ、患者さんの個人カルテに以前の健診データをうつすエクセル作業を地道に行っておられました。何もかもが手探りの状態でしたね。


写真のように、診療所での院内処方箋の形式を提案、実現しました。


雄勝診療所のような薬剤師のいない診療所では、医師が薬剤確認をおこなわなければいけません、薬の声だし確認を行っていましたね。


なによりも、小倉先生の何かというときの相談相手として、小倉先生の精神安定剤になっていたと思います。本当におつかれさまでした。 また、大先生のつくった基盤をもとに、所長の先生や看護師さんがはたらきやすいシステム作りを目指していきたいと思います。

濱口院長からのメッセージ

濱口先生からお言葉を頂きました。

院長の話が聞き取りづらいのは有名ですが、
聞き取りさえすればやはりその内容もオーラも偉大でした。

でっかいですね~。一つ一つの言葉から力と深さを感じました。
こんな院長の下で活動が継続できるって幸せな事ですね。





濱口先生のコメント

諏訪中央病院では過去にも災害に対しての支援を行ってきました。国外ではボスニアの戦争後、バングラデッヂュの大洪水、チェルノブイリなど。国内なら阪神大震災や新潟中越大地震などにも行きました。「困った人がいるなら助けに行こう」そんな文化が病院にはあるんです。

地域医療って本当はそういうもんだと思うんですよ。自分達が持っている「地域医療」を住民の方々に当てはめるのではなく、その土地その土地に必要とされる事がある。それに応えていく事が「地域医療」なんです。そういう点では長野県で医療をやるのも被災地で医療をやるのも何も違いはない。同じなんです。

被災地支援に関しては難しい点もあるんです。向こうから依頼を待ってるだけでは物事が動きにくい。こちらから現地のニーズをつかんで自ら動かなければいけない。それに応えようと動いていく。それが地域医療だし、その過程を通じて医師も成長する。

現在の石巻支援活動はいずれも卒後3年~5年の若手医師が各1カ月以上行っています。その若手であるという事が重要。その人たちが帰ってきて長野で活躍し、いずれは各地に散らばってそれぞれの土地で地域医療を行っていくんです。田舎でも、都会でもそこで必要とされる地域医療がある。この経験がそこで必ず生きる。

病院でやっているだけでが医療ではないんですよ。病院を出て町に出る、そこで住民と人たちの声を聞きながら在宅をやったり地域保健をやったり。今の時期の被災地だと急性期医療ではないし、慢性期の病院医療活動が再重要というわけでもない。例えば石巻であれば津波によってコミュニティーが破壊されてしまったでしょう?そのコミュニティーをどう再構築していくか、それが重要なんだと思います。その支援をすること、それもまた地域医療です。

被災して家族を失った人は「今」どうしているのだろうってよく思うんですよ。私は外科医ですが、「余命あと数カ月です」という宣告をした時、患者さんはどうするか。実は目の前の当たり前の生活を一生懸命にやるという事が多い。今被災地で新たに生活を始めていらっしゃる人たちは、訪れてしまった重大な現実に対し、毎日の生活をするということでなんとか自分を支えておられるのかなあ、そんな風にも考えたりします。

こういった災害は世界中で起こっている。この経験は言葉や形にならないような学びになって本人の中に残っていると思う、それを活かして今後また活躍してほしいと思っています。

リハビリの威力



























本日往診にいきました。石巻日赤の研修医さんとも一緒でした。
ばあさんと2人暮らしの86歳の男性で、9月の中旬からの右股関節痛ののち骨折はありませんが、ADLが低下しねたきりとなっている方です。ヘルパーは毎日午前午後入って、訪問看護週1というケアプランです。本日リハビリボランティアのface to faceの方が診療所にボランティアにきてくれました。
そこで、さっそくリハビリをお願いしてみたところ、うまいこと本人をのせてのせて、、

立てました!!!
そして、おばあさんが笑顔になりました。

写真は①端座位でささえがなくても座っていられるところ、②立って足踏みをしているところです。本人のやる気を引き出し、可能性を追求していく・・
やっぱりリハビリは偉大ですね。ぜひ、サービス提供者がリハビリ情報を共有し、少しずつでも本人をみんなで動かしていく体制にしていきたいです。

NHKのEテレ(教育テレビ)にて11月15日(火)再放送 face to faceの活動がNHKの番組「にっぽんリハビリ応援団」で紹介されることになりました!7月から支援を行っている石巻市雄勝町での活動を中心に、被災地でのリハビリ支援について紹介されます。リハビリ専門職が被災地で出来ること、直面している現状、これからの課題等を知っていただけたらと思います。
-------------------------------------------------------------------------------

放送予定 再放送 11月15日(火)午後0:00~0:29・チャンネル:Eテレ(教育テレビ)
タイトル:「シリーズ 被災地のリハビリ 第二回 在宅での支援の課題
番組ホームページ:http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/rehab/
キャンナス(全国訪問ボランティアナースの会)が同番組で紹介されます。 
石巻で活動している団体です。JIM-NETとも関係があります。
キャンナスの再放送は11月14日(月)午後0:00~0:29です。

2011年11月9日水曜日

石巻支援中間報告

7月~10月アタマの活動内容報告を挙げてみます。
ここに書いてある内容が活動の本質ではないと思うんですけどね。
形にするとこうなります。

もっとほんとは住民の人たちとこんな風に関わってこんなことがあって
こんな風に感じてこんな風に喜んでもらった~みたいなことが大事なんじゃないかと思います。

そんな話題はヒハ先生の記事からどうぞ読み取ってください。

写真は入釜谷地区のおじぞうさん。
ばあちゃん手編みの赤い頭巾がかぶされています。






















<<三か月の活動内容(平成23年7月15日~10月8日)>>
【在宅支援】
地元河北地区総合支所保健師との毎日ミーティングの中で情報交換や新規依頼を受け主に訪問看護を中心に行い、在宅リハビリ、在宅診療を諏訪中央病院スタッフが行った。
◎訪問診察 15件
◎患者移送・受診介助3件

【診療】
石巻圏合同医療救護班からの依頼の元に無医村地区となった雄勝地区、入釜谷地区の診療。また石巻日赤本院の救急医療支援を行った。桃生郡医師会理事の石垣クリニックで診療支援も施行。
◎雄勝診療救護所 (9回 患者数?名)
◎雄勝診療所(1回3名)
◎入釜谷地区診療(2回 患者数約30名)
◎日赤救急当番(準夜9回, 深夜2回, 日直5回)
◎東松島石垣クリニック診療補助7回

【各種ミーティング】
医療「石巻圏合同救護チーム」、行政「石巻市役所・河北総合支所」、ボランティア「石巻復興支援協議会」等それぞれの代表組織とは密に連携をとって支援活動を継続。
◎石巻圏合同救護チームミーティング
◎河北支所 保健師との合同ミーティング
◎涌谷町国民健康福祉センター 青沼先生ミーティング
◎石巻専修大 復興支援協議会ミーティング

【コーディネート】
短期支援に関して現地コーディネーターの負担減を測った。
◎PT濱さん、上條さん、清水さん
◎高木先生、竹内先生、遠藤先生、伊藤先生受け入れ
【その他】
地元行事に参加する事、被災地生活支援を一緒に手伝う中で人間関係の構築、医師としてのニーズの拾い上げなどを行っている。被災地全体のステージとしては平成23年9月からは仮設住宅での生活とその支援が本格化している。
諏訪中央病院医師としては講演会などを主に担当。
◎仮設住宅支援「お茶っこくらぶ」5回
◎「川開き祭」救護所
◎避難所生活支援「ダニバスターズ」3回
◎瓦礫撤去1回
◎写真洗浄1回
◎千人風呂1回

【講演活動等】
・6/28 原小学校 被災地支援講義・ワークショップ(奥・原村保健師)
・7/05 原村柏木地区 いきいきサロン「石巻支援報告」(奥)
・8/24 石巻市河北地区で保健推進委員約50名に「放射線障害」講義(奥)
・9/01 原村生活習慣病予防研修会「生活習慣病・石巻活動報告」講義(奥)
・9/16 原村生活習慣病予防研修会「生活習慣病・石巻活動報告」講義(奥)
・9/20 石巻市多目的運動公園仮設住宅「すまいと健康」講義(遠藤)
・9/26 石巻市三反走仮設住宅「すまいと健康」講義(遠藤)
・10/3 石巻市追波川川前仮設住宅「すまいと健康」講義(遠藤)
・10/7 安国寺公民館「石巻支援報告」講義(奥・竹内)

【報道】
・6/29 長野日報
・7/23号 東洋経済
・8月号 諏訪郡医師会会報
・9/月 信濃毎日新聞
・9月 東日本放送(KHB)
・10月号 諏訪教育会会報

【活動の推移と見通し】
震災3カ月目の7月に本格的に被災地支援開始。被災地の壊滅的な状態は続く。医療に関わる状態としては急性期の「この集団をケアする医師がいない、薬がない」等の当初の問題から、「この人・この集団に関してはこういう問題」等の個別性の高い問題に変化していた。その中で「寄り添う支援医療」ということで一人1カ月単位の長期支援開始。
比較的長期、継続的に現地にいることができるということで仕事を任されるケースが増加し、引き継ぎ期間を平日5日間と十分にとることが現地の信任にもつながっていると考えられる。日本で唯一の単一医療機関からの家庭医療後期研修医長期派遣プロジェクトとして現在活動継続中。
業務内容は主に無医村地区となった雄勝地区・河北入釜谷地区の診療、石巻日赤救急支援、桃生郡医師会石垣クリニック診療補助、河北地区在宅支援等の診療活動に加え、避難所次いで仮設住宅支援として講演会などを行っている。
震災7カ月の10月現在、最も被災地の大きな課題となっているのは雄勝地区の医療体制再構築。9月に壊滅し医師が全員死亡したことで機能停止に陥っている雄勝病院の代わりに仮設診療所が9月にやっと完成。リアス式海岸内部のかなり入り組んだ山の広い地域に対して、新規に域外から常駐する事になった医師は一人のみで立ち上げに難渋している。現在伊藤医師は週4回程度雄勝診療所の診療+立ち上げ補助活動を継続している。見通しはかなり不透明であるが、今後1~3カ月程度安定までにかかる見込み。

【今後その他の活動】
・10/22 諏訪中央病院祭で”災害プロジェクト”運営
「鎌田名誉院長講演」「行政・消防・病院・石巻代表でシンポジウム」「森のナースの一次応急処置ワークショップ」「市役所の水道車出動」「食生活改善推進委員と炊き出し体験(豚汁、災害用炊飯)」
「暗闇で救出体験」「福島っ子の夏休み作品展示」「もし茅野にM8地震が起きたら」
「原小学校・東部中学校被災地へのチャリティーステージ発表」⇒ 石巻橋浦小学校 / 三反走仮設住宅住民との交流
 病院祭での募金、収益金の一部は石巻へ寄付。
・看護部防災委員会を通して「もし茅野にM8地震が起きたら」アンケート結果提出。